たりないお金—20代、30代のための人生設計入門
「たりないお金—20代、30代のための人生設計入門」を読了しました。
竹川美奈子氏の書籍は、私にとって唯一の指名買い候補であり、本書のターゲットが私の世代であることからも、躊躇なく購入しました。
序盤は、「自動車はいらない、どうしても必要ならお金を貯めてから。」「家を買えるだけの余裕は本当にあるの?」と、今後避けて通れない耳の痛い話題が続きます。
その中で、個人資産の大きなウェイトを占めるこれらの商品をどう選ぶか、または選ばないかが家計に与えるインパクトについて、冷徹な現実を教えてくれます。
20~30代をターゲットとしているのは明確な理由があります。
それより上の世代は、物質的に恵まれない時期があったものの、社会的には恵まれており、道を踏み外さなければ誰もが安心して老後を迎えられます。
しかし、今の時代は少子化が進み、世代間扶養を前提とした年金制度が崩壊しています。
それに伴い、年功序列・定期昇給の前提が崩れ、そもそも景気低迷で正社員になれない非正規雇用者が増え続けるなど、セーフティーネットの機能しない不安定な社会構造に変わってきています。
残念ながら、自分の将来は自分の力で保障するしかありません。
すなわち、先を見通せる頼るべき先輩がいない状況で、こうした現実を受け入れなければならない、初めての世代となるとも言えます。
本書は、これまで誰も経験したことのない世の中へと変化するにあたり、自分の身を守るための最低限の金融リテラシーを身につけ、少しでも明るい将来を手に入れるための道しるべとなるでしょう。
必要な準備を怠らないために、本書を何度も咀嚼したいと思いました。
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