「投資信託にだまされるな!」にだまされるな! 従来の「10年ほったらかし分散投資」はダマされて当たり前!
「「投資信託にだまされるな!」にだまされるな! 従来の「10年ほったらかし分散投資」はダマされて当たり前!」を読了しました。
本書は残念ながら、書籍としての完成度の低さが際立つ悪書です。
今回得た教訓は、「タイトルにだまされるな」といったところでしょうか。
全体的に論点のすり替えや論理の飛躍があまりに多く、読むのに疲れます。内容も薄っぺらで説得力に欠けます。
分散投資と言いながら、日本株式・債券への分散には頑なに否定的だったり、アセットアロケーションで決まると言いながら、トレンドが変わったら見直せ(でも肝心のタイミングや方法は書いていない)と無茶振りしてみたり、といった調子です。
ともすれば、自称"実践派FP"が言いたい放題、と読み手に受け取られても仕方のない内容です。
なお、本書では、3つのコンサルティング事例を挙げています。
しかし、いずれも「今話題の」という接頭語が相応しいテーマ系ファンドでポートフォリオを埋め尽くし、「従来の10年ほったらかし分散投資」との比較もせず、果たしてこの3つが成功事例かどうかさえ疑わしいのです。
挙句に、巻末では「金融工学や経済学を知らなくても資産は増やせる」と言い切りますが、それをギャンブルと言わずに何と言うのでしょうか。
そして、漠然とした将来への不安をただ「困りますよ」と煽るだけで、処方箋は出さない主義らしいのです。
著者としては、自身の実績や有能さとFPとしての役割を世間にアピールしたいのだろうと勝手に想像します。
しかし、素人目で見ても唖然とする内容に対して、しきりに著者が必要と叫ぶ「手数料」を1,365円も書籍代として払わされているのかと思うと、陰鬱とした気分になります。
もう少し客観的に見ても、自著で自らの首を絞めているだけのように思えて仕方がありません。
本書によって、著者には何かメリットがあるのでしょうか。
これから投資を始める人には、本書は絶対にお勧めできません。
是が非でも、本書の内容を完全に網羅しつつ、良質で実践的な「しくみ」マネー術をお勧めします。
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