超簡単 お金の運用術
「超簡単 お金の運用術」を読了しました。
本書は、個人の資産運用でポートフォリオを精緻に管理しても、やや適当に管理しても、結果は大きく変わらないとの前提に立っており、切り口がとても斬新です。
そのため、時間も手間もかけないことを是として、管理が楽で無難なポートフォリオを提案しています。
ただし、この提案は、ポートフォリオ理論の基礎を十分に理解していることが前提条件です。
したがって、ポートフォリオ理論のうち、実務に必要な部分について抜き出し、かなりのページを割いて手厚く解説しています。
結論が最初に述べられており、内国株式と外国株式を4:6とするのが、本書の解です。
私の個人的な直感とは異なる解ですが、結論に至る過程は丁寧かつ論理的に示されており、読めば納得できます。
また、投資信託をはじめ、保険や年金、プライベート・バンキングといった金融商品・サービスに対する"悪質な勧誘"について、「勧誘される商品はダメな商品だ」として、絶対に避けるよう力説しているのも、本書の面白いところです。
本書が勧める金融商品は、いずれも仕組みが単純明快で実績があり、手数料が低く、長期の運用に耐えられるものばかりです。
手数料の高い商品は悪であり、余計な損をすべきではないと説いており、その点だけでも十分な信頼に値します。
そういう意味で、本書の目的である無難なポートフォリオを構築するよりも先に、まず金融商品・サービスの見る目を養い、損をしないように日頃から気をつけることが最優先だと痛感しました。
何かのはずみで大金を手にしたとしても、間違った行動を取ってしまわないよう、肝に銘じておきたいと思いました。
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