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敗者のゲーム—金融危機を超えて(原著第5版)

敗者のゲーム—金融危機を超えて(原著第5版)

「敗者のゲーム—金融危機を超えて(原著第5版)」を読了しました。

本書の「敗者のゲーム」という書名には、どことなくネガティブな印象を抱いてしまいますが、そういう意味が込められているわけではありません。

著者は、テニスの試合を例に挙げて、プロ選手が自身のプレーで勝ち取る試合を「勝者のゲーム」、アマ選手が相手の自滅で勝ってしまう試合を「敗者のゲーム」と呼んでいます。

そして、資産運用は「敗者のゲーム」であり、負けた者が負け、負けなかった者が勝つ世界だと指摘しています。

機関投資家と言われる運用のプロは、莫大なヒト・モノ・カネ・情報を駆使して、市場の非効率、すなわち相手のミスに乗じて利益を勝ち取ろうと、目を皿にしています。

そのため、個人投資家を含む運用のアマが、限られたリソースの中で利益を勝ち取ることは、ほとんど不可能であり、むしろ自らミスを招いて負けてしまいます。

さらに、運用のプロであっても、プロ同士の競争が激しく、かつ互いに優秀であるが故に、利益を勝ち取ることは難しいとも指摘します。

つまり、プロ・アマを問わず、利益を勝ち取るつもりで資産運用に臨めば、負けが約束されたも同然だということになり、結局、誰が参加しても「敗者のゲーム」にしかならないというのです。

「敗者のゲーム」で勝つには、負けないことに徹するしかないのです。

著者は、資産運用で負ける要因として、主に以下の3点を挙げています。

  • 売買手数料や信託報酬等のコストがかさむこと
  • 自身のリスク許容度を把握していないこと(無暗にリスクを取りすぎること・過小なリスクしか取らないこと)
  • 大局観を持たないために運用方針がブレること

これらの要因を排除するには、内外の株式インデックス・ファンドによるポートフォリオが最適だと結論付けています。

そして、この結論は、1970年代の初版で示された後、ITバブルやリーマン・ショックの激動を経ても、変わることなく一貫しています。

著者の株式偏重の姿勢には、やや疑問を感じる場面もあります。

しかし、債券では十分なリターンを得られないこと、デリバティブやコモディティは手数料がリターンを食いつぶすことを改めて説明されると、株式の期待リターンへの呪縛からは、どうやっても逃れられそうにないと思い知らされます。

それでもなお、ポートフォリオのほとんど全部を株式に配分するのは、本当に適切と言えるのでしょうか。

アセットアロケーションによる分散効果をどの程度見積もるかによって、株式の比率が大きく変わるだけに、悩ましい問題です。

ただ、リスクを過剰に恐れるあまり、アセットアロケーションがリスクとリターンの縮小均衡状態に陥る可能性に気づかされ、ハッとしたのも事実です。

ともあれ、著者も指摘するように、負けないための第一歩は、投資方針を書き起こして明文化することだと思います。

私自身も実際、投資方針書を定めた後は、大きくブレることなく運用を継続できており、結果の評価と改善にも役立っています。

また、一連のPDCAが回り始めれば、ほとんど手間がかからないのも良いところです。

資産運用で負けないためにも、リスク管理の勘所やバランス感覚を磨いていきたいと思いました。

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