MAXIS トピックス上場投信が好き
私のお気に入りETFは、MAXIS トピックス上場投信(証券コード1348、略称MXSトピクス)です。
MAXIS トピックス上場投信は、三菱UFJ国際投信のETFシリーズMAXIS(マクシス)の中核を担う、TOPIX連動型の上場投資信託です。
同社と言えば、インデックスファンドシリーズeMAXIS(イーマクシス)のほうが、知名度は高いかもしれません。
しかし、両シリーズとも、コツコツ投資家の低コスト志向に応えてくれる、強い味方です。
ETFのデメリットがメリットに?
読者の皆様は、ETFを活用されていらっしゃいますでしょうか。
ETFは、インデックス(指数)との高い連動性を維持するため、積極的に分配金を出す傾向にあります。
コツコツ投資では、分配金を出すこと自体がデメリットだと捉えられがちですが、2014年より始まったNISAとの相性が良く、分配金への課税を回避できるため、再び脚光を浴びています。
ETFのメリットは、圧倒的に低い信託報酬率にあります。
同社のインデックスファンド「eMAXIS TOPIXインデックス」とETF「MAXIS トピックス上場投信」を比較すると、前者が税抜0.4%であるのに対し、後者は同0.078%以内と、1桁も違うのです。
信託報酬率で差がつく
コツコツ投資家は、信託報酬率に特に敏感です。コンマ数パーセントの違いだけでも、金融商品の乗り換えを真剣に検討するくらいです。
なぜかと言いますと、長期投資を前提として継続保有する場合、わずかな信託報酬率の差が福利効果で雪だるま式に膨らみ、結果として支払う信託報酬額(保有コスト)に歴然とした差が生じるからです。
なかなかイメージしにくいと思いますので、具体例を示します。
まず、年間2%の伸びを示すインデックス(指数)があり、その指数に連動する金融商品A・B・Cが設定されたと仮定します。
次に、3者へ100万円ずつ投資し、10年間、継続保有したと仮定します。
最後に、3者とも無分配で、信託報酬率は、Aが0%、Bが0.4%、Cが0.078%となっており、税率は0%と仮定します。
さて、どのような結末になるでしょうか。
金融商品 | A | B | C |
---|---|---|---|
信託報酬率 | 0% | 0.4% | 0.078% |
開始時 | 1000000 | 1000000 | 1000000 |
1年後 | 1020000 | 1016000 | 1019220 |
2年後 | 1040400 | 1032256 | 1038809 |
3年後 | 1061208 | 1048772 | 1058775 |
4年後 | 1082432 | 1065552 | 1079125 |
5年後 | 1104081 | 1082601 | 1099866 |
6年後 | 1126162 | 1099923 | 1121005 |
7年後 | 1148686 | 1117522 | 1142551 |
8年後 | 1171659 | 1135402 | 1164511 |
9年後 | 1195093 | 1153568 | 1186893 |
10年後 | 1218994 | 1172026 | 1209705 |
Aとの差 | — | -46968 | -9289 |
10年後の残高に着目すると、Bは46,968円、Cは9,289円の保有コストを支払ったことになります。
保有期間が長ければ長いほど、信託報酬率が高ければ高いほど、保有コストは目に見えて増加します。
保有コストは想像以上に大きい
このシミュレーション結果を見ると、信託報酬率の数字自体はとても小さく、取るに足らないとさえ感じるのに、保有コストはぐんと跳ね上がり、数字に騙されたような気分になります。
そう思うと、Bの46,968円はもちろん、Cの9,289円でさえ、支払うのが惜しくなりますよね。コツコツ投資家の忌み嫌う保有コストとは、このわずかな数字で決まるのです。
さて、現実に戻りましょう。Aのような、信託報酬率が0%でTOPIXに連動する金融商品は、残念ながら存在しません。
0%を実現するのは不可能ではありませんが、TOPIXの構成銘柄(約1,700銘柄)すべてをTOPIXと同じ比率で保有する必要があり、膨大な手間がかかる上に、かなりの財力を要求されます。
そのため、個人投資家は、500円程度から投資可能なインデックスファンドや、10,000円程度から投資可能なETFを活用するわけです。
手間と財力を省く代わりに、保有コストを支払っているとも言い換えられます。
ETFを選択肢に加える
このように、一定のメリットを享受しているのですから、保有コストがかかってしまうのは仕方ありません。しかし、商品選択次第で、保有コストを低く抑えるのは可能です。
金融商品は、一旦保有してしまうと、手数料や税金、証券口座や制度の都合で簡単に手放せなくなることが、往々にしてあります。
それらを考慮した上で、時と場合に応じて最適な選択肢を導き出すのが、コツコツ投資家の数少ない頑張りどころと言えるでしょう。ETFも、その選択肢に入る可能性があるのです。
ETF取引にまつわる不安も解消
MAXIS トピックス上場投信は、TOPIX連動型の金融商品として最低水準の信託報酬率を誇りますが、ごく最近まで、取引高の少なさが弱点だと指摘されていました。
取引が活発でないと、本来の理論価格と市場での取引価格が乖離し、不当に高く買い付けたり、安く売り付けたりしなければならない場合が生じるからです。
これを抑制するため、東証は2011年4月11日よりインディカティブNAVの配信を始め、売買時点での適正価格を投資家自身が把握できるようにしました。
日銀のETF買い入れを筆頭に、市場外取引も活発化しています。
ここに来てようやく、売買に困らない乖離率と取引高で推移するようになりました。また、純資産も、安定運用できる規模に達しています。
私は応援しています
私がここで一生懸命宣伝しても、何の恩恵にも与れませんが、どのみち保有コストを負担しなければならないのであれば、MAXIS・eMAXISの両シリーズを通じて、低コストのコツコツ投資を支えてくれている同社に落として、健全で良好な関係を末永く続けていきたいと思うのです。
あわよくば、信託報酬率の引き下げという形で、保有コストが軽減されることにでもなれば、喜ばしい好循環が生まれます。
読者の皆様におかれましては、TOPIX連動型のETFをご検討の際に、MAXIS トピックス上場投信も選択肢へ含めていただけますと、私個人としても非常に嬉しいです。
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