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積立投資日を選んで決める意味

積立投資のイメージ

コツコツ投資を実践している読者の皆様は、毎月何日に積立投資を行っていらっしゃいますか。やはり、給料日直後や、月初、月末という方が多いのでしょうか。

証券会社によっては、月単位でなく日単位で設定できるところもあるようですので、毎日という強者の方が、中にはいらっしゃるかもしれません。

誤解の発端

私はかつて、積立投資日を選んで決めることには、それなりの意味があると考えていました。

例えば、確定拠出年金を含む年金の運用機関(機関投資家)は、加入者からの入金日を指定していることが多く、投資実行日も自然と固定化されてしまいます。

もちろん、1日で実行を完了するとは限りませんが、いずれにせよ莫大なお金を動かすことに変わりはなく、市場への影響力もそれなりに大きいのではないかと考えました。

また、同じ理由で、多数のコツコツ投資家の方が、キリの良い月初や月末を投資実行日に選んでいると、実はそれなりに市場へのインパクトがあるのではないかと想像しました。

一方、給料日は会社によって異なるため、そこまでの影響力はないかもしれません。

大きな金額が動くと、何が起こるでしょうか。

コツコツ投資の場合、取り崩すよりも積み立てる金額のほうが上回るため、お金が市場に投入されます。そのお金で、多くの場合は投資信託が買い付けられます。

そして、投資信託の運用機関(機関投資家)は、投資対象の株式や債券、REITなどの現物を買い付けます。すると、それらの現物の買付に需要が生まれ、取引価格が騰がります。

つまり、積立投資日が重なれば重なるほど、投資対象の現物の取引価格が騰がるという現象が考えられるのです。

調べた結果

さて、この理屈通りのことが、果たして実際の市場で起こっているのでしょうか。

私が疑問に思った当時、月初・月末に着目して約5年間のデータを遡って調べたのですが、そういった傾向は見られませんでした。

当時の私は、機関投資家の運用手法をまったく理解していなかったため、やむを得ないのですが、この理屈は、正しいようで間違っていました。

理屈通りにならない大きな原因は、先物取引の存在です。

先に挙げたような現物価格の高騰は、当然ながら、買い付ける機関投資家側にはマイナス要因として働きます。そこで、先物取引を利用して、現物価格への影響を抑えているのです。

なお、このような先物取引の利用は、将来、ほぼ確実に現物を買い付ける予定ですから、ギャンブル(投機)ではありません。

実際、投資信託の運用報告書には、現物の組入比率とともに、先物の組入比率も記載されています。もっとも、その割合は極めて小さい場合がほとんどです。

機関投資家が先物取引をうまく活用して、インデックスとの連動に努力していることが、この組入比率から読み取れます。

結論

読者の皆様の積立投資日が、仮に月初・月末であったとしても、まず心配は無用だと言えます。

ちなみに、私の投資方針書では、初版より、月初・月末を避けた積立投資日を選んで決めています。作成当時、先の疑問がまだ解けていなかったためです。

有価証券の買付は、原則として毎月4日、10日、17日、21日、および27日のいずれかに行う。

積立投資日とは関係なさそうな、主要クレジットカード会社の引き落とし日を参考にしました。でも、改めて考えてみると、給料日直後に引き落とすカード会社が多いと想定されるため、無関係とは言えませんね。

いずれにせよ、特に差し障りがないと分かったことから、投資方針書では、この記載を現在も引き継いでいます。

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