債券投資信託が株式投資信託として取り扱われる理由

債券投資信託の目論見書などを確認すると、株式投資信託として取り扱われる旨の注記がなされています。
読者の皆様も、債券ファンドがなぜ株式ファンドと同じ扱いを受けるのか不思議に感じたことが、一度はあると思います。
現在、一斉に購入受付停止中となっているMMFなどは、公社債投資信託として取り扱われています。
この違いはどこから来ているのでしょうか。単に私が不勉強なだけなのですが、調べてみました。
転換社債へ投資するケース
私が最初に思い浮かべたのは、転換社債(CB)へ投資するケースです。転換社債は、一定の条件を満たすと、その発行企業の株式へ転換できる特性を備えています。
運用会社は受益者にとって有利な選択をしますから、場合によっては、債券ファンドが一時的に株式を保有する可能性もあるのではないかと考えました。
例えば、三菱UFJ投信のeMAXIS 国内債券インデックスの請求目論見書には、以下のように記載されています。
株式への投資割合は、信託財産の純資産総額の10%以下とします。
ところが、この推論は必ずしも正しくありません。eMAXIS 国内債券インデックスの連動対象インデックスであるNOMURA-BPIは、転換社債を含まないからです。
転換社債へ投資する債券ファンドも、探せば見つかるとは思いますが、それだけでは説明できないものがあると分かりました。
「株式への投資割合」が意味するところ
それでは、eMAXIS 国内債券インデックスは、なぜわざわざ、株式への投資割合を明記しているのでしょうか。
この疑問を解消するのに、私は相当の時間を費やしてしまいました。そしてようやく見つけたのが、三井住友AMのよくあるご質問(FAQ)です。
その回答は以下の通りです。短いため全文転載になってしまいますが、ご容赦いただきたいと思います。
税法上は、公社債のみを投資対象とする投資信託と、それ以外の投資信託、という区別しかなく、株式をたとえ少しでも組み入れ可能としている投資信託は株式投資信託に分類されています。
公社債投資信託では、基準価額が当初元本(1口=1円あるいは1万円)を上回っているときには追加設定が出来ません。
このため、主として債券に投資する投資信託であっても、約款上、株式投資信託の形態をとっています。
つまり、逆説的になりますが、株式投資信託という形態を採るために、株式への投資割合を定めているようなのです。
また、公社債投資信託の基準価額が追加設定の可否に影響するとは、まったく知る由もありませんでした。
なお、三井住友AMのよくあるご質問(FAQ)には、様々なお役立ち情報が掲載されていますので、ぜひご一読いただければと思います。
法律は複雑
ここで改めて目論見書を確認してみると、確かに「課税上は」株式投資信託として取り扱われると記載されており、私はこの4文字を完全に見落としていました。
ところで、2016年より、債券についても、株式や投資信託と同様に申告分離課税となりました。
しかし、このような細かな取り扱いについては、まだ十分に整理されていないように感じられます。
税法や投資信託法などの法律が、より実態に即した形へと改正されれば、現在の目論見書の分かりにくさも軽減されるはずです。
今回調べていく過程で、法務面での環境整備にも、ぜひコツコツ取り組んで欲しいなと、私は思いました。
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