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三井住友AMがモーニングスターの指標を開示する意味

レーティングのイメージ

三井住友AMが、自社の「フィデューシャリー・デューティー宣言」に基づき、1つのアクションプランを打ち出しました。

2016年2月19日付のニュースによると、2016年4月1日より、自社運用の約140ファンドについて、モーニングスターのレーティングとリスクメジャーを自社サイトで開示します。

開示の目的は、三井住友AMの同宣言におけるお客さまのお役に立つ適切な情報と資産形成の機会を提供しますの節に沿ったものと解釈できます。

今回の取り組みは、「フィデューシャリー・デューティー宣言」および「フィデューシャリー・アクションプラン」に基づき、外部評価機関のわかりやすい指標を掲載することで、お客さまが説明文書等をじっくり読む前に、ファンドを選んでいただけるもので、日本の運用会社では初の試みとなります。

フィデューシャリー・デューティーとは

フィデューシャリー・デューティーとは、投資信託などの運用会社(受託者)が、受益者に対する責任と義務を明確にし、その使命を果たすことを指します。

「受託者責任」や「信任義務」などの日本語が充てられていますが、金融庁では以下のように説明しています。

他者の信任に応えるべく一定の任務を遂行する者が負うべき幅広い様々な役割・責任の総称。

つまり、企業における「善管注意義務」や「忠実義務」に相当するものだと言えるでしょう。

開示することに意味があるか

さて、モーニングスターのレーティングとリスクメジャーの開示には、意味があるのでしょうか。

同宣言では、利益相反関係等、フィデューシャリー・デューティー全般をチェックする第三者機関のしくみを導入しますの節を設けています。

モーニングスターは第三者機関にあたりますから、開示は、この節に沿ったアクションプランとも解釈できます。つまり、宣言の内容には合致していると言えます。

また、説明文書等をじっくり読む前の時点では、そのファンドの指標は、おおよその参考になることでしょう。

少なくとも、開示されていないよりは、開示されているほうが親切ですから、開示には一定の意味があると評価できます。

指標が適切か

むしろ、私が疑問に思ったのは、モーニングスターの指標を採用するのが妥当か否かという点です。

同指標は、運用期間が3年以上のファンドについて、過去のリスク・リターンを計算して5段階評価するものであり、指標そのものに恣意性はないと考えられます。

とはいえ、フィデューシャリー・デューティーの本質は、「受託者責任」です。

ファンドの過去の成績が責任を果たす、という解釈は苦しく、ピントがずれているように感じます。

本当は、目論見書の内容や運用体制を第三者機関がチェック(監査)するなど、ファンドの現在の取り組みを客観的に評価することが求められていると考えるべきでしょう。

今のところ、そのような仕組みもなく、結果を数値化なり段階評価なりするのが難しいことは、私も承知しています。

しかし、モーニングスターの指標をもって、それに代えるというのは、少々乱暴ではないでしょうか。

継続的な改善を期待したい

三井住友AMの同宣言は、かなり踏み込んで相当な範囲を網羅した上で、各々の実施時期まで明示しており、画期的であると高く評価されています。

今回のアクションプランは、数ある中の1つに過ぎません。したがって、仮に1つがダメだからと言って、全体がダメだと判断するのも乱暴すぎます。

ましてや、この取り組みはつい最近始まったばかりで、同社がトップランナーです。

先例もなく手探りの状態で、それでも誠実に向き合って考えているのが、ひしひしと伝わってきます。

同社にはぜひ、アクションプランの実施が一巡した後も継続して取り組み、誰の目からも「安心して任せられる」存在であり続けて欲しいと願います。

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