当面の利益を確定する売り注文が先行し…
読者の皆様も、一度は報道で目や耳にしたことがあると思いますが、考えてみればみるほど不思議なフレーズです。
以下のようなフレーズも含め、いくつかのバリエーションが見られます。
- 米国株高を受けて幅広い銘柄に買い注文が出て…
- 円安ドル高を好感した買い注文が優勢となり…
- 世界経済の先行き懸念から売り注文が膨らみ…
- 輸出企業の採算悪化を嫌気する売り注文が広がり…
大抵の場合、市場終値を前日と比較するため、これらのフレーズが引き合いに出されます。
私が不思議に思うのは、個々の投資家が買い注文や売り注文を出す動機までを、第三者が客観的に判断できるか否かという点です。
表裏一体の関係
外国人投資家や機関投資家は、今や大きな影響力を持っていますから、その動向や足元の経済情勢に着目すると、大筋の見立てはできそうです。
また、「板」を見れば、買い注文と売り注文のどちらが優勢かも分かるでしょう。
しかし、取引が成立するには、買い値と売り値が一致しなければなりません。
ということは、裏を取った投資家、すなわち上昇時に売った投資家も、下落時に買った投資家も、必ず存在します。
したがって、表側だけで判断すると、確かにフレーズの通りになりますが、一方の裏側は闇に葬られているように見えるのです。
そう考えると、結局、これらのフレーズは単なる修飾語に過ぎず、特に意味を持たないと考えるのが無難に思えます。
つまり、大人の言葉遊びといったところでしょうか。
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