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スマートベータ指数をベンチマークとするアクティブファンドの存在価値

iSTOXX MUTB JAPAN クオリティ150アクティブオープンの目論見書のイメージ

三菱UFJ国際投信が2016年4月18日付で、とあるアクティブファンドを設定しました。

iSTOXX MUTB JAPAN クオリティ150アクティブオープン(愛称Jアクティブ)という投資信託です。

ベンチマークである「iSTOXX MUTB JAPAN クオリティ150インデックス」(スマートベータ指数)を上回ることを目標として運用します。

物珍しさから商品性が気になって調べてみたのですが、次々と疑問が浮かんで、頭の中の収拾がつかなくなりました。

腑に落ちない点

重要と思われる疑問は、次の3点に集約されます。

スマートベータ指数をベンチマークとする妥当性が分からない

スマートベータ指数はそもそも、TOPIXのような「市場平均」を上回ることが期待されている指数です。

つまり、指数自身にアクティブ運用の要素が含まれているとも解釈できます。

そのような指数をさらに上回るアクティブファンドが存在するのであれば、その構成銘柄を指数に採用すれば良いようにも思えます。

採用銘柄を入れ替えるタイミングは、指数とアクティブファンドで異なるとはいえ、タイミングを制限する理由も特にないはずです。

極論すると、スマートベータの意味するところを真っ向から否定しているのではないでしょうか。

スマートベータ指数をバックテスト?している

一応、インデックス自体は2001年6月18日の時価総額を100として算出しています。

しかし、そもそもスマートベータ指数を過去に遡って算出する意味があるのか否か、良く分かりませんでした。

ベンチマークの算出開始から間もない

このインデックスを開発したとのプレスリリースは、2015年8月4日付で発表されており、未だ1年さえ経過していません。

アクティブファンドという「運の要素」(ファンドマネージャーの実力)に加え、素性の知れないインデックスを上回ると言われても、投資するメリットがあるのか否か判断できません。

存在価値の分からないものは怖い

結局のところ、このアクティブファンドの商品性は、まったく理解できませんでした。

信託報酬率も税抜1.440%と割高で、投資対象として相応しいのか否かも理解に苦しみます。

いわゆる「絶対収益追求型」の投資信託だと思えば、遊びとして面白いかもしれませんが、率直に言って、私は怖いと感じました。

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