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「設備・人材投資指数」や「設備・人材投資ETF」は日本銀行向け

人材と設備のイメージ

最近にわかに、「設備・人材投資指数」「設備・人材投資ETF」というキーワードに触れる頻度が高くなりました。

私はてっきり、これらの指数やETFが、新たなスマートベータ戦略を個人投資家へ提供するものだと勘違いしていました。

しかし、よくよく調べてみると、日本銀行(日銀)主導で開発したと言って差し支えないくらいの「官製」指数・ETFだったのです。

どういうことか

日銀の基本要領の特則によると、2016年4月より、日銀が買い入れ対象とするETFの範囲を広げています。

従来、TOPIX・日経平均株価に連動するETFのみを対象としていましたが、今般、JPX日経400と「設備・人材投資指数」に連動するETFも対象とします。

これに伴い、日銀による新たな買い入れ需要が発生しますので、その対象となる指数・ETFを運用会社が次々に組成したと考えるのが自然でしょう。

なぜならば、信託報酬などの利益が、日銀から運用会社へと、労せずして転がり込むからです。

指数とETFの一覧(2016年5月6日現在)

設備・人材投資指数として、以下の3つが発表されています。

設備・人材投資ETFとして、以下の3つが発表されています。

先が見通せない不安

読者の皆様もご承知の通り、現在、日銀は金融政策の一つとして、断続的に国内ETF・REITを買い入れ続けています。

日経平均株価の構成企業の90%において、日銀が実質的な大株主になっていると噂されるほどの規模にまで膨れ上がっています。

当面の間は問題ないとしても、日銀が買い入れたETF・REITは、いずれ市場へと放出することが想定されます。

将来の景気や経済環境は予測不可能ですが、現状を踏まえると、その影響が大変に心配です。

また、かねてより、日銀のETF・REIT買い入れについては、モラルハザードが懸念されています。

それに加え、日銀が大株主になることで、各企業のコーポレートガバナンスにも悪影響を及ぼすことが懸念されます。

つまり、金融システムはおろか、上場企業までも、日銀の都合の良いように操りかねないということです。

私自身、「設備・人材投資指数」や「設備・人材投資ETF」を導入するのは、政策的に誤っているのではないかと疑問を抱いています。

しかし残念ながら、個人投資家としては、不安を感じつつ動向を注視するほかありません。

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