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ETFの信託報酬率が低い理由

下落のイメージ

ETFは一般的に、インデックスファンドよりも信託報酬率が低く抑えられています。

私は根拠もなく、これを当たり前のよう思っていましたが、よくよく考えてみると、その理由を知りませんでした。

3つのポイント

投資信託協会では、その理由を以下のように示しています。

ETFは一般的な投資信託と比較して、次のような理由で信託報酬が低くなっています。

  • ETFは、一般の投資信託と異なり、信託報酬のうち販売会社に支払う部分がない
  • ETFは、インデックス運用なので、企業調査などのコストが少ない
  • 現物拠出型のETFであれば、株式などの売買を行う必要がないため、売買にかかるコストが少ない

信託報酬のうち販売会社に支払う部分がない

投資信託の信託報酬は、委託会社・販売会社・受託会社の3社がそれぞれ、予め定められた取り分をもらっています。

  • 委託会社とは、投資信託を設定する運用会社を指します。
  • 販売会社とは、投資信託を販売する金融機関を指します。
  • 受託会社とは、運用資産を管理する信託銀行を指します。

ETFは投資信託と異なり、市場で取引されますから、販売会社の取り分が不要となります。

販売会社の取り分は、インデックスファンドであっても0.1%以上のものがほとんどですから、その分をカットできることになります。

企業調査などのコストが少ない

この点については、インデックスファンドと変わりませんので、割愛します。

売買にかかるコストが少ない

前置きの通り「現物拠出型のETF」に限りますが、以下の条件を満たすと、売買が不要になります。

例えば、機関投資家であれば、TOPIXを構成するすべての組入銘柄の現物を、相応の規模で保有していることがあります。

このとき、現物をTOPIXの比率に沿って構成したもの、すなわち「現物株バスケット」を作ることができます。

そして、現物株バスケットを委託会社へ拠出し、代わりにETFを受け取ることができます。

現物を個別に売買すると手数料がかさみますが、委託会社はこの取引(交換)を利用することで、手数料を節約できます。

もっとも、交換は、機関投資家が応じてくれなければ成立しません。

しかし、現物とETFに価格差が生じている場合、交換によって裁定取引が可能となり、機関投資家へメリットをもたらします。

このような仕組みによって、ETFの資産規模が増減しても、可能な限り現物の売買を抑えることができるようになっています。

理由を知らなくても問題はない

私は、ETFの信託報酬率が低い理由を調べてみて、深く納得しました。

それと同時に、もし理由を知らなくても、投資において特にデメリットとなる要素がないことも確認できました。

ETFとインデックスファンドの両方を、時と場合に応じて上手に使いこなしたいですね。

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