最小分散ETFの実績(2015年12月~2016年5月)
2015年12月から2016年5月までの6か月間における、最小分散ETFの実績を調査してみました。
調査対象は以下の通り、比較用のTOPIX連動型ETFが1銘柄、最小分散ETFが2銘柄の計3銘柄です。
- MAXIS トピックス上場投信(証券コード1348、略称MXSトピクス)
- 上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ(証券コード1399、略称上場高配当低ボラ)
- iシェアーズ MSCI日本株最小分散ETF(証券コード1477、略称iSMSCI最小分散)
リスク・リターン・シャープレシオ
リスク・リターン・シャープレシオの計算結果は、以下の通りです。
計算には、拙作投資応援ツールの上場銘柄投資効率チェッカーを利用しました。
略称 | リスク | リターン | シャープレシオ |
---|---|---|---|
MXSトピクス | 20.94% | -13.87% | -0.66 |
上場高配当低ボラ | 20.55% | -12.27% | -0.60 |
iSMSCI最小分散 | 18.13% | -8.04% | -0.44 |
相関係数
相関係数の計算結果は、以下の通りです。
計算には、投資応援ツールの上場銘柄相関チェッカーを利用しました。
略称 | MXSトピクス | 上場高配当低ボラ | iSMSCI最小分散 |
---|---|---|---|
MXSトピクス | +1.00 | — | — |
上場高配当低ボラ | +0.95 | +1.00 | — |
iSMSCI最小分散 | +0.86 | +0.85 | +1.00 |
考察
最小分散ETFの2銘柄について、それぞれ簡単に整理しました。
上場高配当低ボラ
上場高配当低ボラのリスク・リターンは、MXSトピクスを若干下回りました。
高配当銘柄という制約条件を課しているため、最小分散ポートフォリオの性質が弱くなったものと考えられます。
MXSトピクスとの相関係数は+0.95となっており、強い正の相関が見られました。
iSMSCI最小分散
iSMSCI最小分散のリスク・リターンは、MXSトピクスを大きく下回りました。
こちらは純粋な最小分散ETFを志向しているため、最小分散ポートフォリオの性質が強く現れたものと考えられます。
MXSトピクスとの相関係数は+0.86となっており、強い正の相関が見られました。
まとめ
上場高配当低ボラは、TOPIXよりもリスク・リターンを抑えつつ、高配当銘柄に分散投資できるため、例えばNISA口座で保有するなどの用途に向いていそうです。
一方、iSMSCI最小分散は、最小分散ポートフォリオの性質が顕著であり、リスク・リターンともに大幅な低減を実現します。
そのため、アセットアロケーションにおいて、過大なリスクを負うことなく、国内株式の比率を引き上げられるようになります。
現在、日銀のマイナス金利政策により、国内債券のパフォーマンスは極端に悪化しています。
しかし、この特性を活かせば、国内債券から国内株式へと、為替リスクなく低リスクでシフトすることも可能です。
このように、わずか6か月間でも、それぞれの特徴が明確になってきました。引き続き、今後の実績を見守りたいと思います。
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