離脱する個人投資家
市場を味方につけることができず、形勢不利となった場合、保有する金融商品の一部または全部を現金化し、次の風を待つ方がいらっしゃいます。
また、運用に失敗するなどして資力を失い、泣く泣く継続を諦める方もいらっしゃいます。
前者は「撤退」、後者は「退場」とも言われますが、市場から離れるという点では、両者とも「離脱」であることに変わりありません。
検討の必要性
インデックス投資家やコツコツ投資家が離脱を想定するというケースは、ほとんどないでしょう。
むしろ、暴落を絶好の機会と捉え、余力をつぎ込んで買い増す方までいらっしゃいます。
一方、デイトレーダーなど、短期売買を是とする方にとっては、離脱のタイミングが非常に重要でしょう。
暴落時に手放しておかなければ、みるみる損失が膨れ上がってしまうからです。
このように、離脱を検討すべきか否かは、投資手法の影響が色濃く出ます。
離脱の善悪
個人投資家の特権である「休むも相場」は、「離脱も相場」とも読み替えられます。
この投資格言が真ならば、離脱に善悪の区別をつけようとするのは、適当ではないと考えられます。
私自身は、離脱を避けたいと思っていますが、これは単なる好き嫌いかもしれません。
精神的に辛く厳しい相場が続くのであれば、勇気を出して離脱するというのも、一つの大きな決断だと思います。
投資効率と余裕のバランス
離脱によって、投資効率は上がりも下がりもします。
相場が読める方は、下げ相場時に離脱し、上げ相場時に復帰すれば、最大の投資効率を得ることができます。
しかし、相場を読めない・読まない方が離脱すると、風向きの変わるタイミングを逸し、最安値圏内で復帰できないため、それだけ投資効率が下がります。
一般的に、相場を読むのは大変に難しいため、離脱するよりもしないほうが無難ではあります。
いずれにせよ、もし離脱の判断ミスが退場に直結する可能性があるならば、最低限、そうならない程度に部分撤退しなければなりません。
投資効率を上げようとすると、ついつい余裕を削ってしまいがちです。
私はかつて、一切の余裕がない状態でリーマンショックを迎え、まさに退場間際まで追い詰められました。
身動きが取れなくなると、言葉では言い表せないほどの絶望感に襲われることになりますから、くれぐれも退場とならないよう、読者の皆様もどうぞお気を付けください。
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