市場混乱時のデマには要注意
「流言飛語が市場の本性」という相場の格言があるそうです。
その解釈には若干の揺れが見られますが、概ね、以下の2点を含意しているようです。
- 市場では、流言飛語が飛び交う。
- 個人投資家に知れ渡る程度の情報で惑わされると、他者の思惑通りに事が運ぶだけである。
前者には、誰かの主観に基づく楽観的、または悲観的な観測などが含まれます。たとえ悪気がなくとも、そのような情報が流言飛語になり得るということです。
また、後者は、証券会社のレーティングや推奨銘柄などの背後には、何らかの意図が隠されているという意味です。
つまり、事の本質や表裏を見極める必要性を説いた格言であると解釈できます。
混乱に乗じてデマが広がる
例えば、東日本大震災の際には、日本経済が壊滅的な影響を受けるため、円の価値が下がるとの観測から、円安が進行するとの流言飛語が飛び交いました。
ところが、現実には急激な円高となっています。海外資産を売却し、我が国(の円)に戻す「レパトリエーション」(レパトリ)が発生すると、大方が予想したからのようです。
市場内に限らず、被災者の救助や避難生活にかかわる悪質なデマが飛び交ったのも、記憶に新しいところです。
ちなみに、円安のデマで得するのは、円高を確信していた側です。一方、デマを信じた側は、当然に損失を被ることになりました。
無論、円高派がデマを流した証拠など、どこにもありません。当事者は、善意のつもり、または面白半分のいたずらのつもりだったかもしれません。
しかし、デマで被害に遭った人がいることは、紛れもない事実です。
Brexit以降も要注意
2016年6月24日にBrexit(ブレグジット)が決定的となり、市場はまさに今、混乱の真っ只中です。
早速、投機筋が様々な動きを仕掛けているといった噂も聞こえてきます。
格言の通り、個人投資家の入手できる情報など、たかが知れています。この些細な噂にさえ、何らかの意図があるのかもしれません。
読者の皆様も、くれぐれもデマに惑わされないようお気を付けください。
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