銘柄の略称を眺めるのは面白い
上場株式やETFなどには、銘柄の略称が定められています。
例えば、証券会社の店頭の株価ボードなどに表示されるのは、もっぱら略称です。
その略称を眺めていて、私は面白いと感じ、簡単ながらも調べてみました。
「ホールディングス」を「HD」と略すなどは良いとして、中には、なぜ略す必要があるのか分からないものや、略すと暗号のようになってしまうものもあります。
正式名称と略称の一例を挙げると、以下の通りです。
- iシェアーズ MSCI日本株最小分散ETF(21字)…iSMSCI最小分散(10字)
- アイサンテクノロジー(10字)…アイサンテクノロ(8字)
- 東洋シヤッター(7字)…洋シヤタ(4字)
「iSMSCI最小分散」は21字を10字へと略していることから、10字までは許容されているようです。
ところが、10字以内に収まる「アイサンテクノロ」は10字を8字へと略し、「洋シヤタ」に至っては7字を4字へと略しています。
このように、一瞥しただけでは、字数の規則がさっぱり分からないのです。
システムの進化とともに
日興AMが2013年9月4日付で公開しているコラムに、そのヒントと答えが書いてありました。
今回、上場承認をいただいた新ETFの正式名称は「上場インデックスファンドTOPIX Ex-Financials(1586)」で、愛称は「上場TOPIX(除く金融)」、略称を当初「上場除金」にしようと考えていました。
略称は、取引所の株価ボード等の表示に使われます。
略称を決めるためには、元々次のような制約があって、この中で名前を考えるのはかなり難しく、今回のETFは本当に苦労しました。
- 全角4文字、半角8文字まで
- 全角文字と全角文字の間に半角文字は不可
- 半角文字:カタカナ(濁点は1文字)、アルファベット大文字
- 全角文字:漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベット大文字・小文字、「'(アポストロフィー)」、「,(カンマ)」
ところが、東証と大証の市場統合後、取引所のシスム仕様が更新されたことに伴ない、全角10文字まで可能になり、半角文字は使えなくなりました。
すなわち、以下のように整理できます。
- 「iSMSCI最小分散」は、市場統合後の銘柄のため、10字へと収めている。
- 「アイサンテクノロ」は、市場統合前の銘柄のため、8字へと収めている。
しかし、「洋シヤタ」については、依然として謎のままです。過去に、4字へと収めなければならない時期があったのでしょうか。
ともあれ、銘柄の顔とも言える略称ですから、各々腐心して決めているであろうことは想像に難くありません。
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