三井住友銀行の個人型確定拠出年金(iDeCo)「SMBC個人型プラン」が優秀
現在、個人型確定拠出年金(iDeCo)の口座獲得競争が始まっています。
超低コスト商品を扱うネット証券のiDeCoが大本命と見られているものの、メガバンクの三井住友銀行もSMBC個人型プランを担いで参入しています。
同プランは、「メガバンクの商品は高かろう悪かろう」という従来の概念を、見事に覆しています。
良心的な商品を数多く揃えており、店頭での申し込みも受け付けていることから、さほど金融リテラシーの高くない方にも安心して勧められるのが、同プランの大きな特長です。
インデックスファンドのラインナップ
表内の信託報酬率(%)は、すべて税抜です。
アセットクラス | 名称 | 信託報酬率 |
---|---|---|
国内株式 | 三井住友・DC日本株式インデックスファンドS | 0.190 |
外国株式 | 三井住友・DC全海外株式インデックスファンド | 0.250 |
新興国株式 | 三井住友・DC新興国株式インデックスファンド | 0.560 |
国内債券 | 三井住友・日本債券インデックス・ファンド | 0.160 |
先進国債券 | 三井住友・DC外国債券インデックスファンド | 0.210 |
新興国債券 | インデックスファンド海外新興国(エマージング)債券(1年決算型) | 0.520 |
内外REIT | 野村世界REITインデックスファンド(確定拠出年金向け) | 0.530 |
複合 | 三井住友・DC年金バランス30(債券重点型) | 0.220 |
複合 | 三井住友・DC年金バランス50(標準型) | 0.230 |
複合 | 三井住友・DC年金バランス70(株式重点型) | 0.240 |
先進国株式・国内REIT・先進国REITの単体のインデックスファンドが存在しない点には、やや癖を感じます。
しかし、条件と工夫次第で、ネット証券のiDeCoと同等の超低コスト運用が可能であり、決して見劣りしないラインナップと言えるでしょう。
手数料
手数料については、同行のサイトによると、以下の通りです。
移管時手数料
表内の金額(円)は、すべて税込です。
支払先 | 金額 |
---|---|
国民年金基金連合会 | 2777 |
運営管理機関 | 0 |
合計 | 2777 |
加入者手数料(月額)
表内の金額(円)は、すべて税込です。
支払先 | 金額 |
---|---|
国民年金基金連合会 | 103 |
運営管理機関 | 258 |
事務委託先金融機関 | 64 |
合計 | 422 |
野村證券よりも割安
参考までに、私の利用している野村證券と比較してみると、移管時手数料は同額ですが、加入者手数料は月額29円ほど割安になっています。
詳細については、個人型確定拠出年金(iDeCo)の運営管理機関を再考するの記事の通りです。
なお、たかが87円と思われるかもしれません。しかし、この「年額1,044円」が、わずかな信託報酬の差を簡単に埋めてしまうのですから、決して侮ってはいけません。
iDeCoのダークホースとなるか
同行のフィデューシャリー・デューティー宣言において、お客さまのニーズを踏まえた商品を開発し、取り揃えるように努めます。
の項には、以下の取組状況
が記されています。
- これから投資を始めるお客さまや、リスクを抑えた投資を行いたいお客さまのニーズにお応えするため、比較的手数料率の低い商品や、低リスクの商品、積立型の商品等のラインナップを拡充しております。
- 系列に関係なく、幅広い投資運用会社・保険会社から質の高い商品を取り揃えております。
SMBC個人型プランは、この取り組みに合致するラインナップを揃えており、同行がフィデューシャリー・デューティーを果たした賜物だと言えるでしょう。
とかく腰が重いと言われがちなメガバンクですが、その一角を占める同行が目に見える形で取り組みを進めていることに、大きな意義を感じます。
そして、フィデューシャリー・デューティーというキーワードが一過性の流行で終わることなく、しっかり根付き始めているのではないかとも感じます。
三井住友銀行は、十分に知名度のある金融機関ですから、実のところ、iDeCoの口座獲得競争でネット証券よりも優位に立てる可能性を秘めています。
したがって、同プランの動向については今後も注視していきたいと、私は考えています。
追記(2017年1月10日)
三井住友銀行の個人型確定拠出年金(iDeCo)「SMBC個人型プラン」が運営管理手数料を引き下げの記事の通り、同行が運営管理手数料を改定したため、関連個所を修正しました。
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