ニッセイAMが<購入・換金手数料なし>シリーズに日経225連動型インデックスファンドを追加
ニッセイAMが2016年11月21日付で、日経225連動型インデックスファンドを新規設定します。
しかも、<購入・換金手数料なし>シリーズに追加することを、お知らせで発表しています。
ラインナップ
表内の信託報酬率(%)は、すべて税抜です。
名称 | ベンチマーク | 信託報酬率 |
---|---|---|
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド | 日経平均トータルリターン・インデックス | 0.180 |
なお、日経平均トータルリターン・インデックスとは、配当込み日経平均株価のことです。
既存ファンドとの信託報酬率の比較
名称 | ベンチマーク | 信託報酬率 |
---|---|---|
iFree 日経225インデックス | 日経平均株価 | 0.195 |
ニッセイ日経225インデックスファンド | 日経平均株価 | 0.250 |
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド | TOPIX(配当込み) | 0.180 |
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドは、次点のiFree 日経225インデックスの0.190%よりも0.010ポイント下回っており、超低コスト競争のトップを走ることになります。
また、同社のニッセイ日経225インデックスファンドの0.250%よりも0.070ポイント低く、さらには<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドと同一の信託報酬率を提示しています。
同一のマザーファンドで異なるベンチマークを設定
特に注目したいのは、<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドとニッセイ日経225インデックスファンドが同一のマザーファンド(ニッセイ日経225インデックスマザーファンド)を投資対象としていながら、ベンチマークは「配当除く」と「配当込み」と異なっている点です。
インデックスファンドの配当込み・除くベンチマークを私なりに考察するの記事の通り、私はマザーファンドとベビーファンドのベンチマークは同一となるのが半ば常識だと捉えていました。
マザーファンドが配当除くをベンチマークにしていれば、こちらのベビーファンドも当然に、配当除くをベンチマークにしているものと考えられます。
ところが、必ずしもそうでないことを、ニッセイAMは明らかにしてくれたのです。
これは、大変に重要な意味を持つと考えています。
以下では、TOPIXと配当込みTOPIXを例に挙げていますが、日経平均株価と日経平均トータルリターン・インデックスにも同じことが当てはまります。
コツコツ投資ならぬインデックス投資を実践する上では、トラッキングエラーの問題は簡単に片づけられません。
これまで、運用報告書の「乖離は配当要因によるもの」というワードを見過ごしてきましたが、TOPIXと配当込みTOPIXとの乖離率は2%を超えることもあり、いざ指摘されてみると、安易に容認して良いものではありませんよね。
また、以下のようにも記しています。
結論がどうであれ、受益者としてこのような問題に声を上げることは、運用会社にとっても、より良い商品開発のために必要なフィードバックとなるに違いありません。
ここで「投資ブロガーの声が届いた」と思うのは、いささか勘違いが過ぎるかもしれません。
それはともかくとして、ニッセイAMは、個人投資家のニーズを拾い上げる努力を怠っていないようで、私は非常に好感を持っています。
攻めるニッセイAM
同社は既に、ニッセイ日経225インデックスファンドというベストセラーを抱えており、何をせずとも「安泰」だと、私は思っていました。
それにもかかわらず、同社は攻勢の手を緩めることなく、しかも素早く次の手を打ってきました。
ニッセイAMが<購入・換金手数料なし>シリーズ7ファンドの信託報酬率引き下げを発表の記事の通り、<購入・換金手数料なし>シリーズのコスト競争力が大変に優れていることは、読者の皆様もご承知の通りです。
本ファンドをあえて、このシリーズに投入するということは、同社が超低コストを武器に戦い続けることを意味しているようにも捉えられます。
私は投資家として、同社の攻めの姿勢に感銘を受けるとともに、今後は同社のファンドを積極的に選択したいと、強く思った次第です。
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