「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2016」に投票しました
「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2016」(FOY2016)に投票しました。
本イベントは、今年で10周年を迎えるとのことで、その記念すべき節目に参加できて大変光栄です。
FOY2016では、2016年10月31日までに設定された投資信託(ETFを含む)に対して、「投信ブロガー」が、持ち点の5ポイントを1ポイント単位で投票します。
2016年11月1日から2016年11月30日までの間にFOY2016サイトより投票し、その旨を自身のブログで公表することで、有効票となります。事前登録などは不要です。
ただし、2016年9月30日までにブログを開設していることが、投票権の獲得条件です。
投票先とその理由
悩みに悩んだ結果、私は4つの超低コストインデックスファンドに分散しました。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(ニッセイAM)
FOY2014とFOY2015を連覇した、大変な人気のインデックスファンドへ、2ポイントを投じました。
本ファンドは、2回の信託報酬率の引き下げ実績があるだけでなく、その引き下げ幅も目を見張るものがあります。
つまり、設定時の0.390%から0.200%へと0.190ポイントも引き下げているわけですから、ほぼ信託報酬率が半減したことになります。話題騒然となるのも無理はありません。
従来の「常識」を完全に覆しているばかりでなく、投資中の受益者を大切にしたいという同社の姿勢に感銘を受けているからです。
人気の秘密は、投資家に真に寄り添わんとする、その心意気にあると言えるでしょう。
<購入・換金手数料なし>シリーズの徹底したコストカットは、強い信念と不断の努力なくしては、到底成し得ないものです。
FOY2016での三連覇を祈念するとともに、同社へ最大級の賛辞を贈ります。
iFree 新興国債券インデックス(大和証券投資信託委託)
2016年9月8日付で一斉に登場した、iFreeシリーズの新興国債券クラスへ、1ポイントを投じました。
私は、この参入に大変驚きました。というのも、同社は「D-I'sインデックスファンドシリーズ」を既に抱えているからです。
ちなみに、D-I'sインデックスファンドシリーズは、2013年12月9日付で一斉に設定されており、信託報酬率が0.400%~0.600%となっているものの、販売会社が極めて少なく、知名度もほとんどありません。
今となっては見劣りするこちらを再活用することなく新規開発を選択した英断には、心から敬意を表します。
さて、新興国債券クラスは従来より競合商品が少なく、信託報酬率が最も低いものでも0.520%と高止まりしていましたが、本ファンドは驚異の0.220%を提示しています。
下落幅の大きさもさることながら、このような状況下でも渋ることなく、思い切った信託報酬率を設定したことに、同社の意気込みをひしひしと感じます。
また、先進国債券クラスと同程度の信託報酬率となったことで、高コストを嫌われていた新興国債券クラスにも、徐々に光が当たるのではないかと期待しています。
本ファンドが、そのような新規投資の呼び水となることを、強く願っています。
たわらノーロード 先進国リート(AM-One)
たわらノーロードシリーズのうち、2015年12月18日付で設定された先進国REITクラスへ、1ポイントを投じました。
同シリーズは、2015年12月7日付を皮切りに、2015年12月18日付、2016年3月14日付と順を追って設定されるという、異色の登場スタイルでした。
本ファンドの信託報酬率は0.350%と、当時の<購入・換金手数料なし>グローバルリートインデックスファンドの0.450%を0.100ポイント下回っています。
また、同シリーズは、マザーファンドが巨大なことでも知られています。
本ファンドのマザーファンド(外国リート・パッシブ・ファンド・マザーファンド)は、300億円規模となっており、安定運用によるコストメリット、すなわち隠れコストの低減を享受できます。
競合商品においては、kenzさんの低コストインデックスファンドの実質コスト完全比較(2016年10月更新)の記事の通り、0.040~0.090ポイントの隠れコストが発生しています。
同ファンドは、2016年10月12日付で第1期の決算を迎えていますが、実質コストが判明するのは、もう少し先になりそうです。
本ファンドが実力十分であることは、客観的に見て間違いありませんから、この点についても、私は大きな期待を寄せています。
三井住友・DC日本株式インデックスファンドS(三井住友AM)
かねてより待ち望まれていた、確定拠出(DC)年金専用商品を一般開放した本ファンドへ、1ポイントを投じました。
2011年12月9日付で設定された本ファンドの信託報酬率は0.190%となっており、「さすが元DC年金向け」と頷ける超低コストを誇ります。
マザーファンド(国内株式インデックス・マザーファンド(B号))は、2003年2月17日付で設定されており、純資産総額が2,200億円規模に上るなど、歴史の重みを感じさせます。
単に歴史が長いだけでなく、上述の通り、安定運用によるコストメリットを十分見込めますから、自ずと期待が高まります。
同社は現在、DC年金専用商品を積極的に一般開放しており、「三井住友・DCインデックスシリーズ」と呼んで差し支えないラインナップを取り揃えています。
さらに、フィデューシャリー・デューティー宣言の先駆けであり、それを果たすために詳細なアクションプランを立てて実行に移していることも、注目に値します。
それまで販売会社側へ向いていた運用会社の顔が、いよいよ投資家側へ向くようになってきたと実感できて、投資家として非常に嬉しいです。
本ファンドは、その象徴とも言える存在です。本ファンドと同社の飛躍を、投資家として熱烈に歓迎します。
世代交代を強く印象付けられた年
金融商品としてのインデックスファンドシリーズは、窓口販売も行われている旧御三家(SMT・eMAXIS・Funds-i)から、ネット販売専用で超低コストを武器とする新御三家(<購入・換金手数料なし>・たわらノーロード・iFree)への世代交代が進んでいます。
また、「三井住友・DCインデックスファンドシリーズ」も、DC年金専用商品の一般開放という強烈なインパクトを伴って(再)登場しています。
2016年は、投資家にとって「豊作」であったとともに、運用会社間で健全な競争が始まった年とも言えます。
アセットクラス毎の信託報酬率の時系列推移(2016年9月)の記事の通り、信託報酬率は年を追うごとに下がっていますから、それが当然のことのように思われる方も、中にはいらっしゃるかもしれません。
しかし、このような動きが見られるようになったのは、つい最近のことです。ネットを通じて、投資家の声が運用会社に届き始め、ようやく世界が変わってきたのです。
我が国の投資環境は、世界に追い付きつつあります。この恵まれた環境を生かすも殺すも、投資家の金融リテラシー次第です。
2017年の個人型確定拠出年金(iDeCo)の対象者拡大を契機として、投資に興味を持つ方がさらに増えることでしょう。
私も「投信ブロガー」の端くれとして、読者の皆様に健全な投資のあり方をお伝えできるよう、価値ある情報を発信していきたいと考えています。
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