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今後の「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」がさらに意義深いものとなるために

FOYのロゴ

私は、2017年1月14日に開催された「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2016」(FOY2016)の授賞式・懇親会に出席し、投資信託に関わる方々の情熱を大いに感じ取ることができました。

FOY運営委員の皆様のご尽力なくして、この記念すべき10回目は迎えられなかったのですから、私もFOY2016の参加者の一人として深く感謝しています。

このように大きな節目を迎えたFOYですが、授賞式後の各運用会社の反応に対して、私は微妙な温度差を感じています。

それは、各社のサイトで受賞コメントなどが掲載されているか否かに見て取ることができます。

FOY2016では、第20位までを入賞としていますので、2017年2月8日時点における入賞ファンドの反応について、以下の通り確認してみました。

順位ファンド名称運用会社掲載
1<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドニッセイAMあり
2たわらノーロード 先進国株式AM-Oneあり
3バンガード・トータル・ワールド・ストックETFバンガードあり
4iFree 8資産バランス大和証券投資信託委託あり
5セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドセゾン投信あり
6ひふみ投信レオス・キャピタルワークスなし
7ひふみプラスレオス・キャピタルワークスなし
8世界経済インデックスファンド三井住友TAMなし
9<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドニッセイAMあり
10セゾン資産形成の達人ファンドセゾン投信あり
11結い2101鎌倉投信なし
11三井住友・DC全海外株式インデックスファンド三井住友AMなし
13野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型野村AMなし
14たわらノーロード 新興国株式AM-Oneあり
15eMAXIS バランス(8資産均等型)三菱UFJ国際投信なし
16SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン三井住友TAMなし
17SPDR S&P500ステート・ストリートなし
18SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン三井住友TAMなし
19三井住友・DC日本株式インデックスファンドS三井住友AMなし
20DCニッセイ外国株式インデックスニッセイAMあり
20SMT グローバル株式インデックス・オープン三井住友TAMなし
20ひふみ年金レオス・キャピタルワークスなし
20コモンズ30ファンドコモンズ投信なし

計23本のうち、受賞コメントなどが掲載されているのは9本で、掲載率は39.1%に留まっています。

また、掲載社が重複しているのは、第1位・第9位・第20位(ニッセイAM)、第2位・第14位(AM-One)、第5位・第10位(セゾン投信)となっており、下位の重複分を除くと、実は第1位から第5位までしか掲載されていないとも言えます。

なぜ掲載されないのか

受賞コメントなどを掲載すれば、ほぼゼロコストでファンドを宣伝できるにもかかわらず、運用会社はなぜ掲載しないのでしょうか。

FOYとしても、自分たちにとって本当によいと思える投資信託を投信ブロガーたちが投票で選び、それを広めることを旨としており、受賞コメントなどを通じて知名度を向上したいところです。

金融庁長官がコメントを寄せ、日経が記事にするほどのイベントですから、「FOYに影響力がない」とは考えられません。したがって、あえて掲載しない理由が必ずあるはずです。

私が唯一思い当たるのは、下位の順位をわざわざ掲載したくないからという理由です。

どんな賞でも、第5位あたりまでは栄誉がありそうに感じます。しかし、例えば第20位で胸を張れるか否かとなると、相当に微妙なところです。

また、わずか1ポイントの差で入賞を逃したファンドが4本もあり、混戦の度合いが強まっています。

さらに、特別賞を受賞した「ひふみシリーズ」では、商品性の同じ3本へと票が分散し、かつ3本すべてが入賞した結果、他のファンドを入賞圏外へと押し出してしまう問題が表面化しました。

これらを踏まえると、現行のランキング方式は、時代に合わせてそろそろ見直しても良いのではないかと、私は感じています。

モーニングスターの事例

ところで、モーニングスターが2017年1月30日付で、ファンド オブ ザ イヤー2016を発表しています。

同賞は、予め定めた基準に基づきモーニングスターが独自に選考しており、以下の9部門で構成されています。

  • 国内株式大型部門
  • 国内株式中小型部門
  • 国際株式型部門
  • 債券型部門
  • REIT型部門
  • バランス(低リスク)型部門
  • バランス(安定)型部門
  • バランス(安定成長)型部門
  • バランス(成長)型部門

そして、部門毎の第1位を「最優秀ファンド賞」、第2位以下を「優秀ファンド賞」と定め、最優秀ファンド賞9本・優秀ファンド賞31本の計40本が受賞しています。

各運用会社は、同賞の受賞をまるで競うかのように自社サイトへ掲載・宣伝しています。

受賞本数が多いにもかかわらず、「最優秀」は無論のこと、「優秀」でも存分に胸を張れそうです。

このように対比してみると、FOYのランキング方式には弊害が出始めているように思えるのです。

一個人としての提案

私は、モーニングスターの事例を真似るとは言わないまでも、せめて金・銀・銅くらいに賞を分類すると良いように思います。

もちろん、回次によっては「該当なし」があってもやむを得ないでしょう。

ただ、そうすると必然的に、複数の部門を用意しておかないと、第3位までしか受賞できないことになってしまいます。

例えば、以下のような部門が考えられます。部門は、必ずしも投票時に提示する必要はなく、FOY運営委員が集計時に裁量で決定して構わないと思います。

  • パッシブ運用部門
  • アクティブ運用部門
  • バランスファンド部門
  • ETF部門
  • iDeCo部門

また、昨今は優良なファンドが増えてきていることから、5ポイントの持ち点では足りず、10ポイントは欲しいと感じています。

下位になるほど得票数が団子状態でバラけておらず、死票も目立っていますが、持ち点の増加で相当程度は解消できそうです。

投票方法については、特段の不都合を感じておらず、私は現行のままで問題ないと思っています。

ここまで、FOY2016の参加者として感じたことを書き出してみました。他のブロガーの皆様も、きっと何らかの思いを抱いていることでしょう。

FOY運営委員の皆様の手を煩わせることは本意ではありませんが、今後のFOYがさらに意義深いものとなることを願い、以上を提案します。

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