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「業界団体との意見交換会において金融庁が提起した主な論点」を読む

金融庁のイメージ

金融庁が2017年2月14日付で、「業界団体との意見交換会において金融庁が提起した主な論点」を公表しています。

本記事では、論点に「国民の安定的資産形成」の項を含む「主要行」「信託協会」「日本証券業協会」「投資信託協会」について、その内容を追ってみます。

主な論点

「国民の安定的資産形成」の項の内容は、以下の通りです。

主要行

  • 金融機関が個人顧客に販売している金融商品には、顧客本位の観点から問題あるものが依然として多い状況。
  • 顧客本位のビジネスを行うことは、ルールで規制する以前の経営の基本と考えられることから、プリンシプルベースのアプローチをとるつもり。顧客不在のビジネスモデルには発展がないことを十分認識し、顧客利益と金融機関の収益を両立するビジネスモデルの構築を競っていただきたい。
  • 各金融機関の業務が、どの程度顧客本位のものになっているかを国民が客観的に評価できるよう、環境整備(「見える化」)を推進。

信託協会

  • 金融事業者自身が主体的に創意工夫を発揮し、顧客本位の良質な金融商品・サービスの提供を競い合い、より良い取組みを行う金融事業者が顧客から選択されていくメカニズムを実現していく必要。
  • 各金融機関の業務が、どの程度顧客本位のものになっているかを国民が客観的に評価できるよう、環境整備(「見える化」)を推進。

日本証券業協会

  • 金融機関が個人顧客に販売している金融商品には、顧客本位の観点から問題あるものが依然として多い状況。
  • 顧客不在のビジネスモデルには発展がないことを十分認識し、顧客利益と金融機関の収益を両立するビジネスモデルの構築を競っていただきたい。
  • 各金融機関の業務が、どの程度顧客本位のものになっているかを国民が客観的に評価できるよう、環境整備(「見える化」)を推進。

投資信託協会

  • 金融庁では、これまで、金融機関が真に顧客のために行動しているかを検証してきたが、運用会社やファンドのガバナンス向上及び利益相反管理については、まだまだ改善の余地があると考えている。各社の特性等も勘案しつつ、顧客本位の業務運営とは何かをしっかりと考え取り組んでいただきたい。
  • 各金融機関の業務が、どの程度顧客本位のものになっているかを国民が客観的に評価できるよう、環境整備(「見える化」)を推進。

「顧客本位」という踏み絵

金融庁はすべての業界団体に対して「見える化」の推進を表明しており、顧客目線での監督姿勢を明確に打ち出しています。

それを裏打ちするかのように、「顧客本位」というキーワードが随所に登場し、現状の金融商品・サービスが顧客本位でないことを暗示しています。

金融レポートでも、金融機関においては、短期的な利益を優先させるあまり、顧客の安定的な資産形成に資する業務運営が行われているとは必ずしも言えないと断じています。

金融庁はなぜ、金融機関の変革をこれほどまでに促しているのでしょうか。

私は、投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2016に寄せられた金融庁長官からのメッセージに、そのヒントがあるように感じました。

なぜ日本人の間で投資による資産形成が普及していないのかを考えてみると、その理由のひとつに、「投資の成功体験」が広く共有されてこなかったこと、が挙げられると思います。

その背景には、金融商品を提供する金融機関が、手数料収入の獲得を重視するあまり、そのときどきの流行に乗ったテーマ型で売りやすい投資信託や過度に仕組みが複雑な商品の組成・販売に注力し、かつ、そうした商品の短期・回転売買を勧めてきたことなどがあるのではないでしょうか。

「投資の成功体験」が顧客に根付かない原因は金融機関側にある、と言っているのです。

さらに突き詰めると、金融機関を監督する立場の金融庁が自ら、投資による資産形成の普及に足かせをはめていた、と言っているようにも受け取れます。

従来の金融行政は、金融業界の利益保護を優先するようかのように動いていましたから、それが真実なのでしょう。

とはいえ、これまで監督官庁の庇護に甘え、顧客を食い物にして太ってきた金融機関に、同情の余地はありません。

顧客目線に立てば、顧客本位でない金融機関や金融商品は、もはや淘汰されるべきです。

そう考えると、昨今のインデックスファンドのコスト競争は、実のところ、金融庁が仕掛けた「踏み絵」ではないかと思えるのです。

踏み絵を踏めない金融機関がどうなっていくのか、私は顧客目線で静かに見守りたいと考えています。

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