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2つの「セゾン」ファンドを比較してみる

マネックス・セゾン・バンガード投資顧問とセゾン投信のロゴ

読者の皆様もご承知の通り、クレジットカードの「セゾンカード」でお馴染みのクレディセゾンは現在、タイプの異なる2つの運用会社に出資しています。

具体的には、「個人向けの新しい投資一任運用サービス」を謳うマネックス・セゾン・バンガード投資顧問と、「長期・積立・国際分散投資」を掲げるセゾン投信の2社です。

両社に共通しているのは、組成したファンドの形態がファンド・オブ・ファンズ(FOFs)である点です。もっとも、様々な投資対象へ低コストでアクセスするには、FOFsしか選択の余地がないのかもしれません。

さて先日、マネックス・セゾン・バンガード投資顧問のファンドが運用開始より6か月を経過し、パフォーマンスの傾向をおおよそ分析できるようになりました。

そこで、本記事では両社のファンドの特性を調査し、そこから見えてくる付加価値に焦点を当ててみたいと思います。

調査方法

2017年3月31日時点のMSV内外ETF資産配分ファンドA~Hコースのデータより、すべてのコースを合成(純資産総額で加重平均)したポートフォリオを算出した上で、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドのデータと比較します。

データは、各々の月次レポートより、2017年3月31日時点の状況を抽出します。

前提条件

調査にあたり、以下の前提条件を付しています。そのため、実パフォーマンスの騰落率と期待パフォーマンスのリターンは、直接的に比較できませんので、ご注意ください。

  • MSV内外ETF資産配分ファンドは、「先進国」と「新興国」をまとめて「外国」と分類しているが、本記事では「先進国」と見なす。
  • MSV内外ETF資産配分ファンドの「国内債券」には、外国債券(為替ヘッジあり)を含む。
  • ポートフォリオの期待パフォーマンスの算出には、拙作ポートフォリオ・アナライザーの「リバランスあり」の数値を用いる。
  • アセットクラスの期待パフォーマンスの算出には、ポートフォリオ・アナライザーの数値を用いる。
  • セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドのアセットアロケーションには、ポートフォリオ・アナライザーの「ベンチマーク選択」に登録されている投資割合を用いる。
  • ポートフォリオ・アナライザーの投資対象は、アセットクラス毎に単一のインデックスであり、実際のファンドとは異なる。

データ

ポートフォリオ

表内の「A」~「H」はMSV内外ETF資産配分ファンドのコースを、「合成」は全コースの加重平均による合成ポートフォリオを、「グロバラ」はセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドを、それぞれ意味します。

純資産総額の単位は、百万円です。ウェイト、アセットアロケーション、騰落率、リスク、リターンの単位は、%です。

2017年3月31日時点ABCDEFGH合成グロバラ
規模
純資産総額4113301294662061142161,215131,040
ウェイト3.371.072.4710.6238.3516.959.3817.78100.00
アセットアロケーション
国内株式6.006.0010.0011.0012.0012.0013.0014.0012.034.00
先進国株式4.005.0010.0014.0020.0026.0031.0035.0023.1339.50
新興国株式5.20
国内債券85.0081.0067.0053.0038.0025.0014.007.0032.398.10
先進国債券1.002.008.0016.0023.0029.0034.0034.0024.9242.30
新興国債券
国内REIT
先進国REIT1.002.003.005.006.007.008.005.39
新興国REIT
預金4.005.003.003.002.002.001.002.002.140.90
実パフォーマンス(直近6か月)
騰落率-3.62-5.47+1.48+2.91+4.77+7.45+9.44+11.14+6.12+11.30
期待パフォーマンス(直近6か月)
リスク0.690.811.692.583.694.625.475.954.105.57
リターン-0.05+0.35+2.56+4.23+6.40+8.29+10.06+11.32+7.30+11.36
シャープレシオ-0.07+0.43+1.51+1.64+1.73+1.79+1.84+1.90+1.78+2.04

アセットクラス

リスク、リターンの単位は、%です。

直近6か月リスクリターンシャープレシオ
国内株式0.59+1.47+2.49
先進国株式0.81+2.01+2.46
新興国株式0.15+1.68+10.86
国内債券0.08-0.21-2.58
先進国債券0.54+0.41+0.76
新興国債券0.50+1.09+2.17
国内REIT0.49-0.09-0.18
先進国REIT1.12+0.69+0.62
新興国REIT0.70+1.23+1.77
0.16+0.13+0.83
預金0.00+0.000.00

分析

MSV内外ETF資産配分ファンド(A~Hコース)と合成ポートフォリオの比較

MSV内外ETF資産配分ファンドは、ロボ・アドバイザーのリスク許容度分析などによってコースが決まり、Aに近いほどリスクが低く、Hに近いほどリスクが高くなるよう設計されています。

合成ポートフォリオのパフォーマンスは、EコースとFコースのちょうど中間付近に位置しています。したがって、同社の利用者は、期待リスクをやや高めに見積もっていると考えられます。

なお、同社のサービスでは別途、投資一任報酬が生じるため、実パフォーマンスはさらに0.6%程度低下します。

セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドとMSV内外ETF資産配分ファンド(A~Hコース)の比較

セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは、原則として時価総額比例方式を採用し、かつ株式と債券の比率が50%:50%となるよう設計されています。

実パフォーマンスの近いHコースに比べ、先進国債券への投資割合が高く、国内株式への投資割合が低くなっています。

一方、MSV内外ETF資産配分ファンド(A~Hコース)は、国内株式・国内債券のウェイトが相対的に高めだと言えます。

合成ポートフォリオとセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの比較

合成ポートフォリオのパフォーマンスが劣後している要因として、以下が考えられます。

  • 株式への投資比率が低く、かつ株式の直近6ヶ月の成績が好調であった。
  • 国内債券への投資割合が高く、かつ国内債券の直近6ヶ月の成績が低調であった。
  • 先進国債券への投資割合が低く、かつ先進国債券の直近6ヶ月の成績が好調であった。

ただし、これらは調査期間の取り方によって自ずと傾向が変わりますので、両者の優劣を決定付ける要因にはなりません。

まとめ

MSV内外ETF資産配分ファンドは、最もリスクの高いHコースであっても、実はセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドと同程度のリスクしか負っていない可能性があります。

また、リスクの低いAコース・Bコースは、芳しくないリターンを背景としてシャープレシオが大きく劣後しており、リスクが低すぎて素性の良いアセットアロケーションとは言えない可能性があります。

合成ポートフォリオ(すなわちEコースとFコースの中間付近)を選択すると、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドよりもリスクを抑えつつ、順当なリターンを望める可能性があります。

ただし、MSV内外ETF資産配分ファンドや合成ポートフォリオは先述の通り、投資一任報酬によって実パフォーマンスが悪化するため、コスト面でどうしても不利だと言わざるを得ません。

結果として、バリエーション豊富なMSV内外ETF資産配分ファンドを選択するよりも、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドを選択するほうが、幅広いニーズに応えつつ最適なパフォーマンスを得られそうに思えます。

ただ、MSV内外ETF資産配分ファンドは現時点で、企図した期待リスク・リターン特性を発揮できていない可能性があります。

アセットアロケーションを全体的に最適化し、バランスを整えられれば、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドにはない「フィット感」を付加価値として提供できそうです。

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