「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2017」に投票しました #foy2017
「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2017」に投票しました。
本イベントは、「投信ブロガー」が2017年10月31日までに設定された投資信託(ETFを含む)に対して、持ち点の5ポイントを1ポイント単位で投票し、表彰するというものです。
2017年11月1日から2017年11月30日までの間にFOY2017サイトより投票し、その旨を自身のブログで公表すると有効票になります。事前登録などは不要です。
ただし、2017年9月30日までにブログを開設していることが、投票権の獲得条件です。
投票先とその理由
悩みに悩んだ結果、私は4つの超低コストインデックスファンドに分散しました。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(ニッセイAM)
FOY2014・FOY2015・FOY2016と3連覇した、大変な人気のインデックスファンドへ、2ポイントを投じました。
本ファンドは、既に3回の信託報酬率の引き下げ実績があります。
- 2015年11月21日付で、0.390%から0.240%へと0.150ポイント引き下げました。
- 2016年11月22日付で、0.240%から0.200%へと0.040ポイント引き下げました。
- 2017年11月21日付で、0.200%から0.189%へと0.011ポイント引き下げます。
つまり、信託報酬率が0.390%から0.189%へと0.201ポイントも引き下げられており、既に半分以下なのです。このストイックな引き下げが毎年話題に上るのは、無理もないことです。
人気の秘密は、投資家に真に寄り添わんとする、その心意気にあると言えるでしょう。
<購入・換金手数料なし>シリーズの徹底したコストカットは、強い信念と不断の努力なくしては、到底成し得ないものです。
同一マザーファンドの確定拠出年金向けファンドであるDCニッセイ外国株式インデックスにも、信託報酬率引き下げの吉報が訪れることを期待しつつ、本ファンドのFOY2017での4連覇を祈念します。
三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド(三井住友AM)
2011年12月9日付で設定され、「三井住友・DC日本株式インデックスファンドS」の旧称でも親しまれていた本ファンドへ、1ポイントを投じました。
三井住友AMはフィデューシャリー・デューティー宣言を発した先駆けであり、それを果たすために詳細なアクションプランを立てて実行に移していることも、注目に値します。
本ファンドは2017年9月21日付で、信託報酬率を0.190%から0.160%へと引き下げています。これは、アクションプランを着実に遂行している証左とも言えるでしょう。
本ファンドと同社の飛躍を、投資家として熱烈に歓迎します。
iFree 新興国債券インデックス(大和証券投資信託委託)
2016年9月8日付で一斉に登場した、iFreeシリーズの新興国債券クラスへ、1ポイントを投じました。
新興国債券クラスは従来より競合商品が少なく、信託報酬率が最も低いものでも0.520%と高止まりしていましたが、本ファンドは驚異の0.220%を提示しています。
引き下げ幅もさることながら、このような状況でも渋ることなく思い切った信託報酬率を設定したことに、同社の意気込みを感じずにはいられません。
また、先進国債券クラスと同程度の信託報酬率となったことで、高コストを嫌われていた新興国債券クラスにも、徐々に光が当たるのではないかと期待しています。
本ファンドが、そのような新規投資の呼び水となることを、強く願っています。
Smart-i 先進国リートインデックス(りそなAM)
2017年8月29日付で設定されたSmart-iシリーズのうち、先進国REITクラスへ、1ポイントを投じました。
同シリーズは、2017年8月9日付と2017年8月10日付で、りそなAMが突如として発表した超低コストインデックスファンドです。
ヒートアップするコスト競争に同社が新規参入するというニュースは、大変な驚きをもって迎えられました。
本ファンドの信託報酬率は0.200%となっており、当時のコストリーダーであった「たわらノーロード 先進国リート」の0.270%を0.070ポイント下回っています。
未だ販売会社さえ決まっていない本ファンドですが、今後多くの証券会社で取り扱われることを願い、貴重なポイントを投じました。
新規設定ファンドの「顔つき」に変化
金融商品としてのインデックスファンドシリーズは、窓口販売も行われている旧御三家(SMT・eMAXIS・Funds-i)から、ネット販売専用で超低コストを武器とする新御三家(<購入・換金手数料なし>・たわらノーロード・iFree)への世代交代が進んでいます。
そこへ、さらに世代の新しいeMAXIS Slim・Smart-i、さらにはつみたてNISA向けとして設定されたつみたて(愛称つみたてんとう)が加わり、新御三家に勝負を挑む構図となっています。
2017年は、かねてよりニーズのある海外株式ファンドや、投資初心者にも勧めやすいバランスファンドの新規設定が際立つ1年でもありました。
S&P500指数連動型では、iFree S&P500インデックスやiシェアーズ S&P500 米国株 ETF、米国株式インデックス・ファンドなど、MSCI ACWI(日本含む/除く)連動型では、全世界株式インデックス・ファンドや野村つみたて外国株投信などが挙げられます。
バランスファンドに至っては、以下の通り、低コストのものに限ってもこれだけの数が新規設定されています。
- SMT 日米インデックスバランス・オープン
- eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
- たわらノーロード バランス(8資産均等型)
- つみたて4資産均等バランス/つみたて8資産均等バランス
- SMT 8資産インデックスバランス・オープン
- 野村6資産均等バランス
- 日本株式・Jリートバランスファンド
- ブラックロック・つみたて・グローバルバランスファンド
- 三井住友・DCつみたてNISA・世界分散ファンド
- eMAXIS マイマネージャーシリーズ3本
- JP4資産均等バランス
- つみたてバランスファンド
- たわらノーロード バランスシリーズ3本
- ニッセイ・インデックスパッケージシリーズ4本
- たわらノーロード スマートグローバルバランスシリーズ5本
これらは、従来の9アセットクラス(国内・先進国・新興国の株式・債券・REIT)にとらわれず、投資家の潜在的なニーズを汲み取って開発されたものだと言えるかもしれません。
さらに、投資信託がコスト面でETFを凌駕するようになってきました。そのこと自体は大変に喜ばしいのですが、ETFにはETFの良さがあり、何らかの形での復権もまた待ち望まれるところです。
ビジネスモデルに変化
そして、運用会社各社は、競合他社の動向やつみたてNISAの行方を占いつつ、自社商品を積極的にアピールするようになってきました。
その最たるものは、eMAXIS Slimでしょう。信託報酬率を競合商品に揃えるというのは、三菱UFJ国際投信がeMAXISで宣言していたサスティナブル(維持可能)なビジネスモデル
とは一線を画す、ともすれば捨て身の戦略です。
一方、新御三家(<購入・換金手数料なし>・たわらノーロード・iFree)も、信託報酬率の引き下げやシリーズの拡充で必死に応戦しています。コスト競争は限界を迎え始めているようにも見えますが、依然として最大のアピールポイントであることに変わりありません。
例えば、アセットクラス毎の信託報酬率の時系列推移(2017年6月)の記事の通り、新規設定時の信託報酬率は時間の経過とともに下がっています。それが当然のことのように思われる方も、中にはいらっしゃるかもしれません。
しかし、このような動きが見られるようになったのは、ごくごく最近のことです。ネットを通じて投資家の声が運用会社に届き、ついには変革をもたらしたのです。
今後は遅かれ早かれ、運用成績、つまりベンチマークからの乖離や実質コストで評価される時代が訪れるでしょう。その際には、魂のこもった高品質な運用を継続できているか否かが問われることになりそうです。
昨今、我が国の投資環境は急速に整備されてきており、コスト面では諸外国に引けを取らないレベルへ達しています。それを生かすも殺すも、投資家の金融リテラシー次第です。
私も「投信ブロガー」の端くれとして、読者の皆様に健全・堅実な投資のあり方をお伝えできるよう、価値ある情報を発信していきたいと考えています。
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