最小分散ETFの実績(2017年)
2017年の最小分散ETFの実績を調査してみました。
各種データは、拙作アセットツールより入手できますので、読者の皆様にもご活用いただければと思います。
調査対象
調査対象は以下の通り、比較用のTOPIX連動型ETFが1銘柄、最小分散ETFが2銘柄の計3銘柄です。
- MAXIS トピックス上場投信(証券コード1348、略称MXSトピクス)
- 上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ(証券コード1399、略称上場高配当低ボラ)
- iシェアーズ MSCI日本株最小分散ETF(証券コード1477、略称iSMSCI最小分散)
リスク・リターン・シャープレシオ
調査には、上場銘柄投資効率チェッカーを用いています。
略称 | リスク | リターン | シャープレシオ |
---|---|---|---|
MXSトピクス | 6.49% | +19.90% | +3.07 |
上場高配当低ボラ | 10.10% | +19.69% | +3.24 |
iSMSCI最小分散 | 6.76% | +14.24% | +2.11 |
相関係数
調査には、上場銘柄相関チェッカーを用いています。
略称 | MXSトピクス | 上場高配当低ボラ | iSMSCI最小分散 |
---|---|---|---|
MXSトピクス | +1.00 | — | — |
上場高配当低ボラ | +0.39 | +1.00 | — |
iSMSCI最小分散 | +0.83 | +0.43 | +1.00 |
考察
最小分散ETFの2銘柄について、それぞれ簡単に整理しました。
上場高配当低ボラ
- 上場高配当低ボラは、MXSトピクスに比べて高リスク・低リターンとなりました。
- 高配当銘柄という制約条件がリスクの上昇に寄与した結果、リターンが劣後したものと考えられます。
- MXSトピクスとの相関係数は+0.39となっており、弱い正の相関が見られました。
iSMSCI最小分散
- iSMSCI最小分散は、MXSトピクスに比べて高リスク・低リターンとなりました。
- リスクが低減していない要因は、残念ながら定かではありません。
- MXSトピクスとの相関係数は+0.83となっており、強い正の相関が見られました。
まとめ
最小分散ETFの2銘柄をTOPIX連動型ETFと比べると、片や同程度のリスクの割には低リターン、片や高リスクの割には同程度のリターンという結果であり、2017年は最小分散ETFの特性を伺い知ることのできない1年となりました。
最小分散ポートフォリオは、効率的フロンティア曲線上のリスクが最小となる点で示されます。したがって、両者とも2016年と変わらず、真の最小分散ポートフォリオを実現できていない点に課題があると言えます。
2015年の設定来より、私はこの2銘柄を注目しており、将来の投資対象銘柄として期待もしているのですが、この結果を踏まえると、未だ時期尚早なのかもしれません。
引き続き、今後の実績を見守っていきたいと思います。
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