SBI証券が個人型確定拠出年金(iDeCo)の新プラン「セレクトプラン」を発表
SBI証券が2018年9月27日付で、同社の個人型確定拠出年金(iDeCo)に新プランを設定すると発表しています。
プレスリリースによると、現行プランを「オリジナルプラン」、新プランを「セレクトプラン」とし、2018年11月1日より両プラン併存のまま取り扱うとしています。
なお、プランの変更は無料となっています。
セレクトプランの概要
同社では、「低コスト」と「多様性」にこだわり、以下の36商品(うち「セレブライフ・ストーリー」シリーズ4本は1本の扱い)を選定したとしています。
表内の信託報酬率(%)は、すべて税抜です。
インデックスファンドのラインナップ
アセットクラス | 名称 | 信託報酬率 |
---|---|---|
国内株式 | eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | 0.159 |
国内株式 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド | 0.159 |
先進国株式 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 0.109 |
先進国株式 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド | 0.109 |
先進国株式 | インデックスファンド海外株式ヘッジあり(DC専用) | 0.280 |
先進国株式 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.160 |
先進国株式 | iFree NYダウ・インデックス | 0.225 |
新興国株式 | eMAXIS Slim 新興国株式インデックス | 0.189 |
海外株式 | SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称雪だるま(全世界株式)) | 0.142 |
海外株式 | eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) | 0.142 |
海外株式 | EXE-i グローバル中小型株式ファンド | 0.312 |
国内債券 | eMAXIS Slim 国内債券インデックス | 0.139 |
先進国債券 | eMAXIS Slim 先進国債券インデックス | 0.170 |
先進国債券 | インデックスファンド海外債券ヘッジあり(DC専用) | 0.260 |
新興国債券 | iFree 新興国債券インデックス | 0.220 |
国内REIT | <購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンド | 0.250 |
先進国REIT | 三井住友・DC外国リートインデックスファンド | 0.280 |
金 | 三菱UFJ純金ファンド(愛称ファインゴールド) | 0.900 |
複合 | eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | 0.159 |
複合 | セレブライフ・ストーリー2025 | 0.653 |
複合 | セレブライフ・ストーリー2035 | 0.657 |
複合 | セレブライフ・ストーリー2045 | 0.660 |
複合 | セレブライフ・ストーリー2055 | 0.642 |
アクティブファンドのラインナップ
アセットクラス | 名称 | 信託報酬率 |
---|---|---|
国内株式 | ひふみ年金 | 0.760 |
国内株式 | つみたて椿 | 0.900 |
国内株式 | SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ<DC年金>(愛称jrevive<DC年金>) | 1.500 |
国内株式 | (近日公開予定) | — |
先進国株式 | 農林中金<パートナーズ>米国株式長期厳選ファンド | 0.900 |
先進国株式 | ラッセル・インベストメント外国株式ファンド(DC向け) | 1.330 |
先進国株式 | 朝日Nvestグローバルバリュー株オープン(愛称Avest-E) | 1.800 |
新興国株式 | ハーベスト アジア フロンティア株式ファンド | 1.990 |
海外株式 | セゾン資産形成の達人ファンド | 1.308 |
先進国債券 | SBI-PIMCO 世界債券アクティブファンド(DC) | 0.754 |
複合 | iFree 年金バランス | 0.159 |
複合 | SBIグローバル・バランス・ファンド | 0.274 |
複合 | セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド | 0.563 |
指定運用商品
同社は、指定運用商品として「SBIグローバル・バランス・ファンド」を選定しています。
手数料
手数料体系については、両プランとも同一となっています。
移管時手数料
表内の金額(円)は、すべて税込です。
支払先 | 金額 |
---|---|
国民年金基金連合会 | 2,777 |
運営管理機関 | 0 |
合計 | 2,777 |
加入者手数料(月額)
表内の金額(円)は、すべて税込です。
支払先 | 金額 |
---|---|
国民年金基金連合会 | 103 |
運営管理機関 | 0 |
事務委託先金融機関 | 64 |
合計 | 167 |
選び抜かれた精鋭たち
従来のオリジナルプランについては、SBI証券が個人型確定拠出年金(iDeCo)の商品ラインナップを整理への記事の通り、旧世代のインデックスファンドを中心に26本を除外するものの、依然として窮屈さを感じさせるラインナップとなっています。
一方、今回のセレクトプランについては、最新世代の超低コストインデックスファンドを中核に据え、同じく最新のものを含むアクティブファンドが華を添える形となっています。
個人的には、以下のポイントに注目しています。
- 信託報酬率が競合より0.300ポイントも低い「iFree 新興国債券インデックス」がついに日の目を見た点
- 「GPIF基本ポートフォリオ」への連動を目標とする「iFree 年金バランス」を選択可能な点
- eMAXIS Slimシリーズと<購入・換金手数料なし>シリーズがこちらでも火花を散らすことになる点
- 「SBI-PIMCO 世界債券アクティブファンド(DC)」と「SBIグローバル・バランス・ファンド」の2本が間もなく新規設定される新ファンドである点
- アクティブファンドの信託報酬率を2%未満に抑えている点
SBI証券のiDeCoは歴史が長い分、ラインナップの新陳代謝が課題となっていましたが、今回の新プランにより、競合の楽天証券のiDeCoやマネックス証券のiDeCo、松井証券のiDeCoに追いついたと言えるでしょう。
eMAXIS Slimシリーズは、競合ファンドの最低信託報酬率に追従すると謳い、これまで有言実行していますから、ラインナップの入れ替えが難しいiDeCoでは、特に貴重な存在です。
また、<購入・換金手数料なし>シリーズは、純資産総額の積み上がりによる運用コスト削減分を、信託報酬率の引き下げという形で受益者に還元しており、大変に人気を集めています。
これで、競合ネット証券は再び脅威にさらされることになりますから、今後、サービス面を中心に、何らかの対抗策を繰り出してくる可能性も十分に考えられます。
今後も引き続き、各社の動向を楽しみに見ていきたいと、私は思っています。
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