ニッセイAMがDC向け超低コストインデックスファンドやリスク抑制型バランスファンドなど計3本を新規設定
EDINETの有価証券届出書によると、ニッセイAMが2018年12月19日付で、確定拠出(DC)年金向けファンド計3本を新規設定します。
3本の内訳は、超低コストインデックスファンドが2本、リスク抑制型バランスファンドが1本となっています。
ラインナップ
表内の信託報酬率(%)は、すべて税抜です。
先進国・新興国のインデックスは、すべて円ベースです。
名称 | ベンチマーク | 信託報酬率 |
---|---|---|
DCニッセイ新興国株式インデックス | MSCIエマージング・マーケット・インデックス(配当込み) | 0.290 |
DCニッセイ先進国リートインデックス | S&P先進国REITインデックス(除く日本、配当込み) | 0.270 |
DCニッセイマーケットフォローバランス | ターゲットリスク型資産分散モデル指数 | 0.550 |
注目はリスク抑制型バランスファンド
3本のうち、DCニッセイ新興国株式インデックスについては、同社の<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンドの信託報酬率0.189%よりも0.101ポイント割高となっています。
また、DCニッセイ先進国リートインデックスの信託報酬率は、<購入・換金手数料なし>ニッセイグローバルリートインデックスファンドと同一ですが、ベンチマークが異なっています。
なお、同一ベンチマークのファンドと比べた場合、Smart-i 先進国リートインデックスの0.200%よりも0.070ポイント割高、たわらノーロード 先進国リートと同率などとなっています。
したがって、最も注目すべきは、バランスファンドの「DCニッセイマーケットフォローバランス」でしょう。
ベンチマークの優位性を証明できるか
DCニッセイマーケットフォローバランスのベンチマークである「ターゲットリスク型資産分散モデル指数」は、以下の特徴を有する指数であり、ニッセイ基礎研究所が算出しています。
- 目標リスクは、年率3%です。ただし、市場動向によっては、3%を下回る場合があります。
- 組入対象は、国内株式・国内債券・外国株式・外国債券(為替ヘッジあり)・短期金融資産の5アセットクラスとします。
- アセットアロケーションは、アセットクラス毎の期待リスク・リターンや相関係数に基づき、シャープレシオが最大となるように最適化します。また、定期的な見直しを行います。
- 株式・債券の暴落時などには、一時的に短期金融資産の組入比率を大幅に高める場合があります。
投資家によっては、年率3%という目標リスクが適切でない場合もあると思います。
ただ、DC向けファンドである点と、おおよそ4資産均等型バランスファンド並みのリスクだと考えられる点を考慮すれば、安定運用側に振るという商品性は適切でしょう。
本ファンドの基本的な戦略は、4資産均等型と同一のアセットクラスを用いて、それと同等のリスクでアセットアロケーションを最適化し、期待リターンを最大化するところにあります。
均等配分型のバランスファンドは、既に4・6・8資産のものが多数運用されていますが、少なくともシャープレシオを高める観点において、均等配分とする理由や根拠は不明確です。
したがって、例えば4資産均等型バランスファンドを保有中の投資家は、本ファンドに乗り換えることで、期待リターンをさらに高めることが可能となります。
惜しむらくは、0.550%という信託報酬率です。同社の<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンドの信託報酬率が0.159%ですから、0.391ポイントも割高であり、コスト差は実に3倍以上となります。
本ファンドの素性が良さそうなだけに、この点は残念ですが、そのコスト差以上の超過リターンを上げられれば投資価値があるわけですから、今後の運用に期待したいですね。
おことわり
有価証券届出書は、金融商品取引法に基づき、有価証券の発行者が内閣総理大臣に提出する書類であり、EDINETは、それら書類を閲覧するための電子開示システムです。
有価証券には、個人投資家が実質的に取引できないものも存在します。また、その旨を有価証券届出書に明記していなかったり、有価証券届出書そのものを取り下げたりする場合があります。
本記事は、有価証券届出書の開示内容に基づき作成しているため、このような事情により、読者の皆様が必ずしも当該有価証券を取引できるとは限らないことを、予めご承知おきください。
コメントを表示します