大和住銀投信投資顧問が「ひとくふう」シリーズにDC向けターゲットデート型ファンド4本を追加
EDINETの有価証券届出書によると、大和住銀投信投資顧問が2019年1月15日付で、低コストアクティブファンド「ひとくふう」シリーズの名を冠するターゲットデート型ファンド4本を新規設定します。
同社サイトのファンド検索では既に、これら4本のファンド情報が検索可能となっています。
ひとくふうシリーズは、低コストのものを含むアクティブファンド5本をラインナップしていますが、今回の4本は確定拠出(DC)年金向け商品であり、一般販売は予定していないとのことです。
ファンド一覧
表内の信託報酬率(%)は、すべて税抜です。
名称 | 信託報酬率 |
---|---|
ひとくふうターゲット・デート・ファンド2030 | 0.350 |
ひとくふうターゲット・デート・ファンド2040 | 0.350 |
ひとくふうターゲット・デート・ファンド2050 | 0.350 |
ひとくふうターゲット・デート・ファンド2060 | 0.350 |
アクティブ運用のターゲットデート型ファンド
4本はいずれも、国内・先進国の株式・債券を投資対象とするバランスファンドとなっており、ファミリーファンド方式を採用します。投資対象は、以下のマザーファンド3本です。
- ひとくふう日本株式マザーファンド
- ひとくふう日本株式ファンドのマザーファンドであり、JPX日経インデックス400の構成銘柄を投資対象とするアクティブ運用のファンドです。
- ひとくふう先進国株式マザーファンド
- ひとくふう先進国株式ファンドのマザーファンドであり、MSCI-KOKUSAIの構成銘柄を投資対象とするアクティブ運用のファンドです。
- キャリーエンハンスト・グローバル債券マザーファンド
- ひとくふう世界国債ファンド(為替ヘッジあり)のマザーファンドであり、FTSE世界国債インデックス(含む日本)の構成銘柄を投資対象とするアクティブ運用のファンドです。
- 外貨建ての先進国債券については、原則として為替ヘッジを行います。
金融商品として見た場合、株式・債券ともにアクティブ運用とするバランスファンドは珍しく、アクティブ運用のターゲットデート型ファンドはさらに珍しいことから、極めて個性的だと言えます。
ターゲットデート型ファンドは、時間の経過に沿って段階的に目標リスク水準を引き下げます。しかし、預金など安全資産との保有比率を調整すれば、通常のバランスファンドを用いても同等の効果が得られます。
その上、ターゲットデート型ファンドのほとんどが、通常のバランスファンドよりもコスト面で劣ることから、あえてターゲットデート型ファンドを選択する必然性に乏しいのが実情です。
ただし、これは、ターゲットデート型ファンドと通常のバランスファンドがともにパッシブ運用の場合に当てはまる論理であり、アクティブ運用の場合は事情が異なってきます。投資家は、アクティブファンドの目標リスク水準を調整できませんし、運用結果を事前に予測することもできないからです。
今回の4本は、通常のバランスファンドに相当するものがそもそも存在しませんし、各マザーファンドへの投資比率は状況に応じて変動しますので、ファンド内で目標リスク水準を調整することには明確な意義があります。
加えて、アクティブ運用を低コストで実現できるという本シリーズの特徴も兼ね備えているのですから、DC年金口座におけるコア・サテライト投資のサテライト部として、この4本は大変に貴重な存在になるでしょう。
なお、販売会社は現時点で三井住友銀行のみとなっていますが、今回の4本の個性は際立っていますから、各社のiDeCoなどでも採用される可能性が十分に考えられます。
本シリーズのこれまでの運用成績は、決して良いとは言えません。しかし、資金流入が増えれば運用の選択肢も増えますから、これを機に改善できるか否か、今後に期待したいですね。
おことわり
有価証券届出書は、金融商品取引法に基づき、有価証券の発行者が内閣総理大臣に提出する書類であり、EDINETは、それら書類を閲覧するための電子開示システムです。
有価証券には、個人投資家が実質的に取引できないものも存在します。また、その旨を有価証券届出書に明記していなかったり、有価証券届出書そのものを取り下げたりする場合があります。
本記事は、有価証券届出書の開示内容に基づき作成しているため、このような事情により、読者の皆様が必ずしも当該有価証券を取引できるとは限らないことを、予めご承知おきください。
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