ステート・ストリートが米国社債インデックスファンドを再設定
EDINETの有価証券届出書によると、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズが2019年1月28日付で、米国社債を投資対象とする超低コストインデックスファンドを新規設定します。
本ファンドの属する「MA」シリーズは現在、楽天証券の楽ラップ専用商品となっていることから、本ファンドも同様の扱いとなりそうです。
概要
概要については、以下の通りです。
- ステート・ストリート米国社債インデックス・オープン2(愛称MA米社債2)
- ベンチマークは、ブルームバーグ・バークレイズ米国社債(1-10年)インデックス(円換算)です。
- 信託報酬率(税抜)は、0.270%です。
見覚えがあると思ったら
本ファンドの商品性に見覚えがあり、名称も「2」となっていることから、「1」があるはずだと調べてみると、以下の2本が2017年1月27日付で設定されています。
- ステート・ストリート米国社債インデックス・オープン(愛称MA米社債)
- ステート・ストリート米国社債インデックス・オープン(為替ヘッジあり)(愛称MA米社債有)
本ファンドの元祖は、このうち前者の「ステート・ストリート米国社債インデックス・オープン(愛称MA米社債)」です。しかし、同社サイトの公募投資信託一覧では、元祖の姿が見当たりません。
そこで、さらに同社サイトを調べてみたところ、2018年11月8日付で繰上償還したことが判明しましたが、その理由については触れられていません。
なお、辛うじて見つけた元祖の目論見書と本ファンドのEDINET情報を比較したところ、信託報酬率を含め、商品性は完全に一致しています。
不幸の連鎖を断ち切れるか
同社が繰上償還と再設定に至った一連の経緯は不明ですが、このような対応は、投資家の利益を確実に損ねます。
後者の為替ヘッジありが存続し続けていることも踏まえると、元祖を繰上償還したのは同社の判断ミスではないかと思えてしまいます。
この推測が仮に正しいとすると、運用会社としての資質に疑問符が付くことになりますから、同社にとっても投資家にとっても、デメリットしかありません。
運用会社の粗製乱造が安直な放棄を招き、投資家のスイッチングを助長し、販売会社の手数料稼ぎに利用されるというビジネスモデルは、果たして今後も続けられるのでしょうか。
見方を変えれば、投資家の金融リテラシーの低さがこの構図を成り立たせているのですから、投資家も決して他人事にしてはいけません。
私は引き続き、ファンドの商品性についてだけでなく、運用会社や販売会社の姿勢に対しても目を向けていきたいと考えています。
おことわり
有価証券届出書は、金融商品取引法に基づき、有価証券の発行者が内閣総理大臣に提出する書類であり、EDINETは、それら書類を閲覧するための電子開示システムです。
有価証券には、個人投資家が実質的に取引できないものも存在します。また、その旨を有価証券届出書に明記していなかったり、有価証券届出書そのものを取り下げたりする場合があります。
本記事は、有価証券届出書の開示内容に基づき作成しているため、このような事情により、読者の皆様が必ずしも当該有価証券を取引できるとは限らないことを、予めご承知おきください。
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